すっかり風も秋の香りを、感じる様になって来た。
アトリエの前で、子供たちが、地面に絵を描いている。
自由な線、形。子供の絵が、なぜ素晴らしいと感じる
のかと言えば、他者性がないからである。自己の
欲求に素直に向き合って、人に良く思われたいであると言った
小賢しい「色気」がないからで、画学生や多少、美術を
学んでしまった人が、失った「無垢」が、そこに在るからだと
思う。しかし、囚われてしまった「無垢」さは、振り払えば
良い訳で、葛藤の末に、その形に行き着くのだと考える。
夕方、新宿に向かい絵画教室で、その無垢さに向かうトレーニング
を生徒さんにやって貰う。しかしながら、常識であるとか
経験であるとかを、振り払う事は、信じて来たものを「疑う」行為で
ある訳で、その様な行為は、やはり少なからず恐怖を感じてしまう様だ。
残り僅かな絵画教室の時間だが、葛藤する楽しさを多少でも感じて貰いたい。