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2009年 10月 10日
埼玉県の南部に高麗川と言う美しい川が流れている。
高麗(こま)と言う地名から言って高句麗王朝時代の渡来人が 住み着いた場所である事は想像できる。現在は、石灰が多く 産出される様でコンクリート工場などがあり、栗林の広がる のどかな山間部と言ったおもむきの場所で画家青木聖吾さんの オープンスタジオ+ハウス日高の家プロジェクト「白いキャンバス」 (旧日高市社会福祉センター跡)が開催されている。私はN.Y.や ロンドンで80年代〜90年代頻繁に行われていた若い美術家たちの オープンスタジオを想像して青木さんの作品をじっくり眺めようと 思い、オートバイを走らせた。入間を抜け飯能を越えて日高市に入る 思いのほか、30キロ弱の道のりは短く感じた。しかしこのプロジェクトは 青木さんが、一念発起しアトリエと住居を新築し、旧作と新作をスタジオ で見せると言う主旨のものだった。若い建築家とやり取りしながら プランを練り、自分で出来る所はセルフビルドで夏の間、ずっとやったんだよ と嬉しそうに話す青木さんは、真っ黒に日焼けしていた。自然光の入る 仕事場とこじんまりしているが落ち着ける書斎、そして無駄の無い居住部分。 庭には芝を植えベランダに腰掛けるとかなり引いて作品を見る事が出来る。 良い環境で仕事が出来る事は、本当に羨ましい限りだ。 氏の覚悟というか決意の様のモノを改めて感じさせて貰った。すっかり暗くなった 夕方5時過ぎにアトリエに戻る。キンモクセイの香りが、嬉しい秋の一日だった。 薄ら寒い私のアトリエで、炭酸カルシウムと今回は鉛白を使い半吸収性の油性 キャンバスを作った。白いキャンバスは、これからさらに前に進もうと言う 気持ちが湧き出て来る所が良い。
by kentarobaba68
| 2009-10-10 07:11
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